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ジュニアテニス動画の活性化はできるか

2020-04-14

新型コロナウイルスの影響で、テニススクールは閉鎖され、テニスコートも借りられず、さらにはプロツアーも大会中止によって放送されない。 そんな現在においては、ネット動画が唯一の救いとなっているのではないでしょうか。 実際、ATPのTennis TVやUS OPENなどは世界中で外出制限が発せられてから頻度高く過去の選手の動画を公開しています。 コロナ収束後の自分のテニスに活かすため、全日本ジュニアや関東ジュニアなどの動画を見たいという選手もいらっしゃると思います。 今回は、そういったジュニアテニスの動画はどうあるべきかについて考えます。


肖像権とプライバシー

ここ5年ほどで、ある張り紙が多くのジュニア大会で見受けられるようになりました。それは

撮影の際は、本部と相手選手に許可を取ること

というものです。
最近では、保護者やコーチといった直接的にジュニアに関わっている人以外の人が撮影している場合もあるようで、ロービングアンパイアなどが注意をしています。

このように注意喚起が行われている背景として、動画投稿のハードルが下がったことで肖像権及びプライバシーへの意識が薄くなっていることが挙げられるかと思います。

肖像権とは、本人の許可なく自分の顔や姿態を「撮影」されたり、「公表」されたりしない権利のことです。

(肖像権侵害とは?成立の基準と判例を解説 https://monolith-law.jp/reputation/portraitrights-onthe-internet)

肖像権は、例え撮影した内容を私的利用する場合でも関わる問題であり、 またジュニアにとっては顔と所属が紐づくことでプライバシーの問題となる可能性もあります。 現在ジュニアや大学生の動画がYouTubeで多く公開されており、中には以下の動画のように県が運営する公式チャンネルもありますが、 それら一部をのぞき非公式に撮影された動画である確率は高く、非常にグレーな問題と言えます。



公式動画の現状

グレーな問題を解消する手立てとして、先ほどの茨城県のように公式に動画を出すということも考えられますが、同様の試みを行っている都道府県はありませんし、 インターハイでライブ中継を行うインハイtvも大会期間終了後にライブ中継を行った全試合が以下の動画のような形でアーカイブされるわけではないようです。 (2014,17,18は一部動画のみYouTubeで、2019はインハイtvにて公開されています。)



全日本ジュニアや全小はJTAテニスオンラインにて無料または有料でごく一部の試合のみ視聴することができますが、 動画の量という意味では非常に限られたものとなっています。
また、全日本ジュニア・世界スーパージュニアについては決勝などの模様をBSテレビ東京(旧BSジャパン)にてRSK全国選抜についてはCSのGAORAにて放送されるなど、 テレビで放映される大会もありますが、いずれもアーカイブという形ではなく、一度きりの放送となってしまっています。


公式動画の活性化が必要

個人ベースでの撮影・ネット空間へのアップロードは前述の通り個人の権利を侵害する可能性が極めて高く、 許可を得られ、公開する場合でも動画内の選手に撮影・公開の許可を得た旨を動画内または概要欄に記載すべきでしょう。
しかし撮影した映像のネット公開を素性のわからない個人の撮影者に対して許可する場合は稀でしょうし 、おそらくどれだけ個人が力を入れてもネットで公開することは難しいと思われます。
つまり、大会が撮影・公開を公式に認めるまたは自ら行うことが唯一の方法なのです。

その場合でも、エントリーする際または本部で受付する際に各選手に確認を行い、 公開されたくない選手については撮影後速やかに削除するなど、きめ細やかな対応が必要となります。 撮影する機材の問題もありますから、公開した場合に収益化できるのかと言った問題も含めれば、公式で行うことは実は非常に難しいのですが、関東テニス協会が収益化に特化し、 各大会から撮影データを買い取るといった形を取れれば、決して不可能ではないはずです。(YouTubeで広告をつけて収益をあげるハードルは高く、公開するチャンネルは1つにまとめた方が効率的です。)

ニーズと理解

実際に実施するとなれば、どれだけの収益が得られるのか、理解を得て公開できる動画の本数がどれだけあるのかは十分な調査が必要です。 テニス協会など、各大会をまとめ上げる組織にそれを行うだけの余力があるか。現状はかなり厳しいと思いますが、少しずつでも進めることが、未来の有望選手に繋がるのかもしれません。



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